前回お話したように、口述自伝制作〈ライフヒストリー良知〉事業を展開するうえで、顧客から数々の人生体験の語りや思い出話を聴く過程において、顧客が〈カタルシス効果〉を得ることで、すごくいい気分になっているなと感じることが多々あります。

この〈カタルシス効果〉を上手く活用するには?

顧客が、自らのライフヒストリーを語るとき、心のオープンにすることでその効果が得られます。従って、顧客とライフヒストリアンとの間には強い信頼関係(ラポールと言う)がなくてはなりませんね。また、このとき、ライフヒストリアンの「聞く力」が問われてきます。

ライフヒストリアンは、「私はこう思います」とか、「こうしたらいいのでは?」という言葉を伝えてはならない。顧客の生き様について発せられる語りをただただ受け止めるだけなのです。

相槌を打ったり、顧客の言葉をオウム返しにしたりして、顧客の脳に刻まれている過去の記憶を呼び起こすサポートをします。そのことの連続によって、顧客は自らの生涯における悲しく辛かった出来事、後悔が募るライフヒストリーを冷静に客観視することができるのです。

現代社会は情報に溢れ返ってますね。誰もが無意識にストレスを抱えて生きています。これまでの人生をライフヒストリアンに語ることで、〈カタルシス効果〉を上手く取り入れ、自らの心を癒やしてほしいと願っています。