最近、〈自分史〉に関連する新聞・雑誌の記事がやたら目につきます。私がそんな仕事をしているせいもあるでしょうが、やはり高齢化社会に到来とともに、自分の生きてきた歴史や物語を配偶者や友人、子や孫に遺していきたいと考える人が年々増えているようです。

愛知県春日井市には、「かすがい市民文化財団」という財団が運営する「日本自分史センター」という自分史専門も施設があって、数年前に訪ねたことがあるのですが、ここには全国から集めた約8,000冊の書籍を所蔵し、〈自分史〉を基にした演劇を創作や上演を行ったりしていますね。

また、神奈川県大和市立図書館も10数年前から市民に〈自分史〉の本の寄贈をしたり、専門コーナーを設けているそうです。この中の「自分史活用推進協議会」という会では、その代表の方は、「その人が経験した『オンリーワン』の記録を広く共有し、次の世代に伝える価値がある」と述べています。そして「まず、本か冊子か、文章と写真のどちらかなど、形式を決めた後、誰に読んでもらうために作るかなどを考えると、目的が明確になり、やる気がわく。」と伝えています。

新聞や雑誌で取り上げるというのは、それだけ〈自伝〉や〈自分史〉に対して興味を抱く人が多くなってきて、需要が右上がりで伸びているからなのでしょう。

私たちが推進する〈口述自伝〉と〈自分史〉とでは、そのコンセプトや制作の進め方が少し違いますが、それぞれがそれぞれのやり方で、人ひとりのライフヒストリーを後世に遺していこうとする活動は、ほんと素晴らしいことですね。