自伝や自叙伝、自分史を著す動機や理由、目的について、まとめてみました。
1.勝小吉(勝海舟の父)/江戸時代の旗本
(1)子孫に伝えるため(孫やひこのためにはなしてきかせるが、能く能く不法もの、馬鹿者のいましめにするがいいぜ)
2.福沢諭吉/江戸から明治時代にかけての教育者
(1)自分がいかに、近代精神確立の推進者となりえたかを現世と後世の人々に広く知らしめるため
3.アンナー・R・バー/米国の自伝作家
(1)自己研究のため
(2)子孫・後裔のため
(3)宗教的な証言をおこなうため
(4)楽しみのため
4.保阪正康/作家
(1)(内的衝動)自分の人生を書き留めておくため
(2)(自己誇示)自分がいかにして成功者になったかを伝えるため
(3)(教訓)自分の人生を児孫に伝えるため
(4)(記録性)自分の歴史的役割を残しておくため
(5)(特異性)自分の特異な体験を広く後世に伝えるため
5.ベンジャミン・フランクリン/米国の政治家・事業家
(1)貧しい環境から身を起こし、富裕で幸運に恵まれるようになるまで、「私が取り用いた有益な手段」を子孫に伝えるため
(2)老人によくある、身の上話や手柄話ばかりしたがる癖を満足させるため
(3)自分の自惚れを満足させるため
6.工藤美代子/ノンフィクション作家
(1)魂の救済のため
(2)記録としてー子どもから孫へ、孫からひ孫へ
(3)自己表現の第一歩として
7.姜永根/ライフヒストリアン
(1)自分(顧客)の歴史的な役割が何かを確認し、書き留めておくため
(2)自分(顧客)のこれまでの生き様を満足させるため
(3)自分(顧客)のライフヒストリーを家族や友人知人、また子孫や後裔に伝えるため
(4)過去を思い出し、記憶を甦らせることで、顧客の脳の活力を高め、認知症などを予防するため
(5)昔を回想することで、顧客の心を浄化(カタルシス)し、未来に希望を持つため
(6)顧客が口述自伝を書籍にして出版し、印税を得るため
ー続くー