今、ロシアがウクライナに攻め込んで戦争状態になっています。

そんな中でもウクライナは決してロシアに屈服していませんね。

かつて、11PMという夜の番組の司会者として名を馳せた藤本義一という作家がいました。その藤本さんが自伝制作に関する本を書いていて、それを読んでいたら、ウクライナの話が出てきたので、少しその話をしますね。

ウクライナの男性は、一生に4つ条件を満たしてはじめて甲斐性のある男だと評価されるといいます。

この4つの条件とは?

①子どもをつくること
②家を建てること
③庭に木を植えること
④一冊の本を上梓すること

この内、④が一番の難問で、男たる者、これを成し遂げなくては一生の完結にならない。

理由は、どうやら帝政ロシア時代、学校の授業でウクライナ語は教えられずロシア語一辺倒で、その上厳しい検問があったために、ウクライナ人によるウクライナ語の記録、即ち自伝を残して歴史に刻むべしと言うことらしい。

日本にも昔から、「一生に一冊の小説は誰でも書ける」という言葉があるけれど、ウクライナの場合は、もっと徹底した義務感で一冊の本に取り組む。

ウクライナは、森があっても紙の原料のパルプはなく、印刷事業も貧しい。それでも本を書くために男たちは励む。残さなければならないのだと。

日本のように自費出版の好条件が備わっていないところで、ウクライナの男たちは一冊を上梓すべく必死に頑張っているんですね。

上梓とは、単に文章を書き綴るというだけでなく、本として出版すること。日本よりも何十倍、何百倍の困難を克服して自己の存在理由を証明しようとする。

そのために、ウクライナ人はよく本を読むらしい。「読まなければ書く方法は見つからない」という根本的な考えが少年の頃から身に染み込んでいるそうだ。

帝政ロシア時代に母国語を排斥された怨念といったものがその底にあるのだろう。

ウクライナ語が解禁されている現在でも、この考えは変わっていないようですね。

ウクライナが、あの強力なロシアの軍隊に抵抗し続けることができるのも、この心意気があるからに相違ない。

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【ウクライナの首都キエフ】