私たちライフヒストリアンは、常に〔聴き手〕の上級者を目指しています。
顧客にとって「心を開いて話しやすい」とか、「信頼して何でも話せてしまう」という〔良き聴き手〕であるためにはどうするべきなのか?
このことによって、顧客の信頼を得ることができるか否か、ひいては事業が成功するか否かが決まってくるので、たいへん重要な業務となりますね。
〔良き聴き手〕とは、「心から聴く技術や姿勢」を持った人のことですね。
もっと具体的に言うと、「顧客である語り手に寄り添い、肯定しながら、相手のために良く聞き・聴き・訊き、顧客の気持ちを想像し、自分のことのように感じられる人のこと」を指します。
それにより、「顧客は話しやすいと感じ、信頼し、心をオープンにし、心地よく何でも話せるという前向きな状態」になります。
そして、〔良き聴き手〕と話すことは、顧客にとって、その場のコミュニケーションがとても楽しいものになり、さらに、次のような顧客の心の変化も生み出しますね。
○思考や感情が整理される。
○自分を肯定し、認め、励ませるようになる。
○今の自分の状態を整理し、課題や解決策に気づける。
○抱えていたマイナスの想いや感情、執着を手放せる。
○心が癒やされる、満たされる、勇気づけられる、元気になるというカタルシス(心の浄化作用)効果が生まれる。
○その結果、心の深い部分で肯定的な変化が起きる。
〔自伝制作という共通の目的〕のために、語り手と聴き手双方の充実感や満足度を高めることにつながりますね。
《ライフヒストリー良知》では、次のような〘良き聴き手の条件〙を定めています。
良き聴き手の条件
1.自分の価値観で判断しない。
2.話を批判的にではなくそのまま受容する。
3.相手に十分な関心を示しているとわかる姿勢をごく自然に取る。
4.相手のペースや進み具合に沿う。
5.今何を感じているか、その気持ちを大切にする。
6.語られる内容が事実と違うことがはっきりしていても、その場では訂正しない。
7.自分の話をし過ぎて、相手の話を取ってしまわないように気をつける。
8.約束した秘密は必ず守る。
9.相手が話したくないことは、それが重要でも無理やり尋ねない。
10.辛い体験や、苦しい思いが語られる時は、静かに耳を傾け深く共感する。焦って慰めたり、『そんなことはない』などと即座に否定したりしない。
〔良き聴き手〕の〔聴く技術〕について、次回もまた、お話します。