以前、関東にある小さな町で自動車関連の会社を経営している女性起業家のライフヒストリーに関するインタビューをしました。2日間かけて誕生時から現在に至るまでの生き様を詳しく聞き、これを口述自伝として世に出していくための準備をしています。
夫と二人で会社を興し、努力を重ね、いかに発展させていったか。子供たちの成長がどれほど生きがいにつながったか。今、病に冒され、それをどうのように乗り越えようとしているのか。
この仕事をしていてつくづく思うのですが、自分の歴史を後世に遺そうとする人たちの表情は総じて明るく、声に張りがあり、生きることへの希望を持っていることです。
生きてきた証を誰かに伝えたいというのは、人間の、いやあらゆる生物に共有する本能のようなものに違いありません。しかし、これまで多くの人にそれを遺す方法や手段がなかったように思います。自分の知識や経験が次の世代に引き継がれることを実際に肌で感じた場合、その喜びはたいへん大きいものがあることを実感しています。
自伝は、これまで功成り名を遂げた人たちが、自ら、或いはライターに依頼して作成してきましたが、世に知らしめる手段がいろいろある現在、名もなき普通の人たちが自伝を出すことがたいへん易しくなってきました。このことで将来への希望が生まれてくることを確信しています。
そのために、僕は顧客専用のホームページシステムを作り上げてきました。その中に誕生から現在に至るまでの生きざまや後世に遺したい言葉、顧客の人生を物語風にして描き出していきます。
これまでの紙ベースの書籍だけでなく、ホームページや電子ブック、或いは映像や動画などのツールを活用することで、自伝の作成をより前向きに進めていこうとする人たちが、一層増えていくに違いありません。