僕は、7つの習慣(人格主義の回復)という、アメリカの有名なコンサルタント、スティーブン・R・コヴィーさんの書いた本を愛読しています。

7つの習慣によって人格とは何であるかを認識し、生きる勇気をもらい、新たな気づきを得ることで成長し、仕事でもプライベートでも他者の才能を見出し、より大きな成果を生み出すことが可能になるということを具体的に著している本です。

この中で、とても重要な言葉や文章が数多く散りばめられていますが、コヴィーさんの注目すべき体験談を記載したいと思います。

「不治の病や重度の身体障害など、この上ない困難に苦しみながら精神的な強さを失わずにいる人に接した体験があなたにもあるだろう。彼らの誠実さと勇気に大きな感動を覚え、励まされるはずだ。苦しみや過酷な身の上を克服した人の生き方ほど、心の琴線に触れるものはない。彼らは、人に勇気を与え、人生を崇高なものにする価値観を体現しているのである。」

コヴィーさんは妻のサンドラさんと共に、25年来の友人であるキャロルさんが4年間、癌と闘ったその姿から大きな感動をもらったといいます。病がいよいよ末期に入ったとき、サンドラさんは自叙伝を書くのを枕元で手伝いました。長時間に及ぶたいへん難しい作業でしたが、サンドラさんは、“子供たちに自分の人生体験を何としてでも伝えたい”というキャロルさんの強い決意と勇気に感動していたのです。

キャロルさんは思考力と精神状態に支障をきたさないように、痛め止めの薬を最小限に抑えていました。レコーダーにささやくように語り、またサンドラさんに直接話をして書きとらせたといいます。

コビィーさんは、「キャロルさんが亡くなる前日のことを私は一生忘れないだろう。耐え難い苦しみの中にある彼女の目の奥に、人としての大きな価値を感じ取った。彼女の目には、人格、貢献、奉仕の精神、愛、思いやり、感謝に満ちた人生が宿っていた」と心をこめて述べています。

僕は、キャロルさんの子供たちに自分の人生体験を何としても伝えたいという気持ちは、多かれ少なかれ誰しもが持っている人としての普通の感情だと思います。だけど、今まで、これを具体的な形で遺してきたのは、自ら文章を書く力を持っている人だけでした。もしくは家族にその能力を有している人がいてその声を聞き取り文章に著した、そのどちらかしかなかったのです。

僕は、これから、コビィーさんの奥さん、サンドラさんのような役割を担うことがとても大切な行動様式であると信じ、この事業を推進していきたいと思います。