今年の初めに、昭和元年~63年、平成元年~31年のライフヒストリー良知の年表が出来上がったことを伝えました。この間の政治・経済・国際・文化・社会・世相・トピックスなどを時系列に書き込んで、顧客の記憶を辿るときのツールのひとつとして活用していきます。

同時に、個人の年表を書き著すソフトウエアも作りました。自伝を制作する場合、より良き個人年表ができたなら、自伝はもう半分完成したといってもいいと思っています。年表はホームページ形式なので、何度でも形を変えて作り直すことが可能ですね。

年表を作る意義は、それによって巨視的に自分の人生をパッと見渡せるようになることです。なので最初からあまり詳細な年表は作らないようにしています。

自伝年表とはどのようなものでしょうか? 年表の骨格は、「履歴書(学歴・職歴〉+個人の生活史+家族史」となり、時系列で自由に文章が記載できるようにしてあります。まずはそのアウトラインを自分の記憶の中から思い出すままに語って頂き、それを文字にして書き入れていきます。

前回お話した立花隆さんは、個人年表について次のように述べていますね。

「人間の一生はすべて4次元時空(空間軸+時間軸)上の移動だ。人間は全て『あるとき』『ある場所』で誕生する。それから一生の間、4次元空間の時間軸上、空間軸上を移動しながら生活を続けていく。

そしてやがて命数が尽きた時、人は、4次元時空上にある一点(ある時、ある場所)で死ぬ。結局、人の一生は誕生点から出発して、死滅点へと向かう長い長い4次元時空上の航海のようなもので、自伝や自分史はその航海日誌なのだ。

限定された航海者であるが、自伝とか自分史のというかたちで、自分の生涯をかけての航海全体を振り返ろうとするとき、大切なのは、まずその大きな全体像を捉えて、自分の人生の大きな構造を見ておくことである。年表がそんなに精密ではなくても、自分の全体像が何となく見えてきたという気持ちが生まれたときが、自伝や自分史を書き、作るときである。」

個人年表の作成方法について、次回具体的にお話します。