今月、国会でデジタル遺言制度の法制化が承認されたことで、今後「遺言を書く文化」を日本社会に根付かせる大きな契機になるかもしれませんね。
ただ、単に遺言書をデジタル化するだけでは不十分だと思っています。
そこには、私が提唱している「エンディングノート」を改名した「ライフヒストリーノート」と、「聞き書きによるデジタル自伝・自分史」を組み合わせることが極めて重要になるでしょう。
理由は次の通りです。
デジタル遺言によって遺言作成のハードルが下がり、パソコンやスマートフォンで作成できる。法務局で保管されるようになれば、高齢者の方でも比較的取り組みやすくなる。
また、紛失や改ざんの危険性が減り、専門家に依頼しなくても準備しやすく、遺言書の作成コストも下がる。これらの利点から、遺言作成者は増える可能性が高くなりますね。
けれども法的効力のある財産分与だけを書いても、相続争いが完全になくなるわけではありません。争族の多くは「心の問題」から起こることが多く、その背景には、例えば、
①なぜ長男に多く残したのか
②なぜ実家を特定の子に託したのか
③親は自分をどう思っていたのか
といった感情的な課題が少なくありません。
実際、財産の額よりも「親の真意が分からない」ことで争族を招くケースがたいへん多いのです。
遺言書には、誰にどんな財産をどれだけ遺すかを書く「遺言事項」と、家族への感謝の気持ちや想い、願いや望みなど心の内や感情を書き記す「付言事項」の2つの項目があります。
デジタル遺言の付言事項に、デジタル自伝を貼り付けることで、内容がとても豊かにわかりやすく見ることができます。これを私たちライフヒストリアンという専門職が行います。
つまり、デジタル遺言書+デジタル自伝+ライフヒストリーノートを一体化することによって、
①これまで人生で苦労したこと
②配偶者や子ども、孫たちへの感謝と願い
③財産分与の理由
④家族への愛情
⑤志や使命感
⑥先祖から受け継いだ価値観
などを、言葉や文章のみならず、写真や動画、音声や肉声などで後世に残すことができる。この時AI技術を活用します。
これらによって、単なる「財産分配文書」であった遺言書が、「愛情と志を伝える家族へのメッセージ」へと進化していくのです。
「エンディング」という言葉には、「人生の終わり」「死」を連想させる面がありますね。しかし私は「人生は死では終わらない」「肉体は失くなっても魂は別世界で生きる」「その人の愛や思いは消えず、次の世代に継承する」という信念を持っています。
従って「エンディング」という言葉は、私の死生観や宗教観とは全く合い入れず、とても違和感があるのです。「ライフヒストリー」は、
①自分の人生の歴史や物語を振り返る
②家族や子孫に愛や思いを伝える
③志や価値観を引き継いでいく
という前向きな意味を持たせることができますね。
繰り返しますが、想定される新しい事業モデルとして、
デジタル遺言作成
ライフヒストリアンの遺言書付言事項に聞き書きデジタル自伝(AI技術を活用した文章・画像・動画・肉声などによる)
争族の防止&円滑な相続の達成
ライフヒストリーノート作成
ライフヒストリー・ライフストーリー・ライフケア・ライフアセット・ライフセレモニー・ライフレガシー・ライフメッセージ
心理回想法&心理カウンセリング
家族への愛と思いと志の継承
このモデルは、従来の終活市場にはあまりない独自性を持っています。まさしくブルーオーシャン市場です。財産相続だけでなく「心の相続」を実現する取り組みとして社会的意義も大きいと確信しています。
そして、この「ライフヒストリーノート」という言葉に関して、先週、商標登録の申請をしました。
「ライフヒストリーノート」には、遺言書や自伝のみならず、「エンディングノート」が掲げている項目も網羅し、未来に向けて憂いなきよう、顧客の安心と信頼を得るために尽力していきますね。