現在、昭和元年(1926年)から64年(1989年)、平成元年(1989年)から31年(2019年)の93年間の年表をデジタルで制作しています。

その年代に起きた出来事などを、政治・経済・国際・社会・文化・世相・トピックスに分類し、独自に作ったソフトウェアにできる限り詳しく書き入れ、また、その年代の、流行語や流行歌、人気の映画、ベストセラーになった本などを書き記しています。

ゆくゆくはその年の、プロ野球の覇者、高校野球春夏の優勝校、Jリーグの優勝チーム、大相撲6場所の優勝者、夏季と冬季オリンピックのメダル受賞者、

また、文化勲章の受勲者、レコード大賞の受賞者、芥川賞や直木賞の受賞者、将棋や囲碁の王位獲得者など、文化・芸術・スポーツ・芸能などあらゆる分野でトップになった団体や個人の業績を書き込んでいこうと思っています。

これは、現在展開している、口述による自叙伝〈ライフヒストリー良知〉を制作する際、顧客の個人年表作成の参考資料にするためなのですが、もうひとつの目的として、顧客の過去の記憶を蘇らせるため、ヒントやきっかけを与えるツールのひとつとして活用していくことにありますね。

ところで僕は、この事業を推進する上で、螺旋的発展という形態がとても大切だと思っています。

螺旋的発展とは?

今、〈ライフヒストリー良知〉事業において進めている顧客に対する〈聞き書き〉は、人類がこの世に誕生して以来、その時代に起きた出来事や個人の歴史を未来に残す手段として行われてきました。それが今、インターネットの普及や記憶装置の技術開発などによって次の段階に入ってきたのです。

世の中のすべての物事の進歩や発展は、右肩上がり一直線ではなく、あたかも螺旋階段を登るようにして進歩し発展していく。

これが螺旋的発展の法則です。

螺旋階段を、遠く横から見ていると人が上に登っていくのがわかる。だけど、これを高く上から見ると、この人は螺旋階段の柱の回りをぐるっと回って、また元の所に復古し、そこから再び進み出している(復活している)ように見える。つまり、「進歩・発展」「復古・復活」が同時に起こるのです。

昔は歴史を残すために人に会い、その話に耳を傾け記憶し、持ち帰って書き写しました。その膨大な情報を頭の中に貯蔵していたのですね。

しかし今は、レコーダーがあり、パソコンがあり、コピー機などがあるため、その必要がなくなりました。しかも創出方法は紙でなくともインターネットで数多くの人たちに見せられるようになっています。

歴史が続く限り司馬遷の史記福沢諭吉の「福翁自伝」のような口述による個人史の価値は復古・復活していきます。同時にその手法がより高度に進歩・発展していくのです。

これらによって、今後数多くの無名の人々のライフヒストリーが描かれるでしょう。さらに自伝的記憶が回想されることで、人々の脳の健康が増進していくに違いありません。

螺旋的発展・・・ これを目指します。